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4人の若い男をのせた一台の車が、たどり着いたのは「出る」と噂されている峠のトンネル。
彼らは肝試しに来たのである。
トンネルは噂がたつだけあってなかなか無気味な雰囲気。
しかし4人もいればさすがに心強く、怖さもあまり感じない。
彼らは「別にたいしたことないじゃないか」などと
軽口をたたきながらトンネルの前に集まると
予定通り記念撮影を行い、再び車に乗り込んだ。
ところが、3人がとっくに乗り込んでいるのに、
なぜか運転するはずの男だけは車に乗ろうとしない。
他の3人は彼に向かって、どうしたんだよ、早く乗れよなどと文句を言った。
すると彼は仲間たちの方を見て、真剣な表情でこんなことを聞いてきた。
「俺たち・・・友達だよな?何があっても」
仲間たちは何言ってんだよ、当たり前じゃないかと口々に答える。
それを聞くと運転席の若者は、泣きそうな顔で仲間たちにこう言った。
「じゃあ・・・俺の足下を見てくれ」
言われて仲間たちが彼の足下を覗き込むと・・・
なんと、地面から2本の白い手がはえていて、
その手が彼の足をがっちりと掴んでいたのだ!
驚いた3人は車から転がり降りると、
「友達」を見捨てて一目散に逃げ出した。
それからしばらくして、3人ががこわごわとトンネルの前に戻ると、
そこには車の姿はなく、彼は車とともにこつ然と姿を消していたという。
彼も車もいまだ見つかっていない。
- 2007/12/18|
- カテゴリ:怪奇・怖い話系
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