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かなり前の話だが、ある男が中古車を買った。
当時の人気車で、かなりの値がつくはずの車が安く売られていた。
事故車に違いないと思い、
あちこち確認したがバンパーとボンネットの交換以外、
機関部や足回りに修復の痕跡は見当たらなかったので、
彼は修復歴ありの車であることを承知して代金を支払った。
購入数週間。
夜、彼が一人で車を走らせていると、
目の前に子供が飛び出してきた。
その後も、何度か子供の飛び出しに見舞われる内、
彼はある事に気付いた。
毎回、同じ子供。
白い服を着た小学生くらいの女の子。
彼はあちこちの車屋を訪ねて車を売ろうとしたが
店側の都合が悪かったり、
やたら気に入らない店主にぶつかったりして、
売却交渉はまとまらなかった。
おそらく、周辺の車屋の間では
知られた車だったのだろうと、後にはそう思えたが、
その頃はそんな簡単な事も分からず、
彼は車を手放す機会を逃しつづけた。
やがて彼は本当に子供を轢いてしまった。
死ぬ事はなかったものの、相手は姉の子供。
近所の解体屋へ持ち込む決意をしたが、
その途中でエンジンが止まり、始動できなくなった。
レッカーを手配し、ようやくの解体屋まで運び込んだ。
解体屋が、持ち込まれた人気車をただスクラップにするわけがない。
ひどい事故で持ち込まれた車ではないので、
使える部品はいくらでもある。
彼のものだった車からは色々な物が剥ぎ取られ、
中身は抜かれ、空っぽになり、
飛び出してきた女の子の思い出もろとも、
あちこちへ運ばれていった。
- 2008/09/06|
- カテゴリ:怪奇・怖い話系
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